だって好きなんだもの

いつだって私のことを考えていないあなたがとっても好きよ

 

男女の間を繋ぎ止めるもの

それは、結局の所、自分が相手を好きだっていうことだろう。

相手が自分のことを好いていてくれるという事実よりも。

 

例えあなたが私のことを好きじゃなくっても

私はあなたのことが好き。

片思いにも似たこの感覚を我々はいつまでも忘れてはならないのではないでしょうか。

あなたは自分の彼(彼女)のことが好きですか?

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香り

一列に並ぶ香水それぞれに男の名前が付けられている

 

香りはさまざまなものと繋がっている。

その代表てきなものが記憶。

橘の花の香りをかいだだけで昔の恋人を思い出す人がいたなんて言うのは、古典を習った人なら誰もが一度は耳にしたことがある話。

そんなドラマチックな話じゃなくても、香りで何かを思い出すという経験はよくある。

どこかの家から流れてくるカレーの匂いが食卓の思い出をよみがえらせる。

今年の梅の花の香りが去年の春をよみがえらせる。

こう考えると、香りは時間と繋がっているということができるんじゃないでしょうか。

香りは時間を超えて。

あなたの時間はどんな香りと繋がっていますか?

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連作:あたしはあたし

角川短歌賞に間に合わなかった歌たち。。。

 

来い来い来いそんな気持ちが恋だからさっさとあたしに会いにきなさい

全力で扉を開けてけつまづく刹那ベッドで飛び跳ねるサバ

コーヒーにゆっくり沈める角砂糖あたしのさびしさ消えてなくなれ

食べるしかこの悲しみは癒えなくてホールケーキを手づかみでいく

キラキラのシンクの前で目を閉じるくらえ!秘技玉葱微塵斬り

今好きな男(ひと)が一番好きだっていう法則が女にはある

泣きそうなそのときギューってしてくれるあいつでいいかと思った二月

終わってく恋から腐ってしまわないようにあたしはトカゲになりたい

人生はあなたがいない世界へと旅立つための助走の時間

幸福が残りわずかになってきたバケツプリンを早くあたしに

お姉ちゃんお風呂上がりは何か着てバスト解放禁令発動

恋なんて吐き捨てられるほどあってそれより今はクレープ優先

こちら月応答願います………春の日本はピンク色です

寂しさが夜ごと襲って来る日々もやっぱりシュークリームはおいしい

あと3秒アクセル全開ニー、イチ、ゼロほらやっぱりね赤に変わった

あの男(ひと)のこと考えなくてよくなって明日の天気が気にならなくていい

昨日より部屋が広くもなくなって今日から私生まれ変わるね

一人分だけ作ってもそこそこの味のカレーになるからひどい

あたしには甘い何かが必要で祝・定期的ケーキ計画

あたしはあたしのために放水する虹現れよHappyBirthday

好きなことはトランポリン寂しさを成層圏まで行って捨て去る

もしかりに13分別になったって分けられないし捨てたくもない

死ぬときは孤独なんだねあたしたちペットボトルのキャップと容器

カレーは一晩寝かせた方がいいそう聞いたから今日は外食

プルプルのプリンが今の目標で週3回はエステに通う

新発売!彼氏を捨てた夜用にポテトチップス涙味

インスリン注射を腕に打ちながら今日もあたしはケーキを食べる

世の中の全糖分を手に入れるためにあたしは王になりたい

 

随時更新予定

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連作5:湘南新宿ライン、逗子行

悟です。今日は春華と鎌倉デートです。一緒に来ればいいのに、なぜか現地集合がいいということで、今は電車を待っています。きっとどこかに春華もいるんでしょうけど、現地集合なんだから探さないでって言われているので、探しません。ゆっくり本でも読みながら向かうことにします。先週TSUTAYAで見つけた森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』。まだちょっとしか読んでないけど、独特の雰囲気を持ってて、話の中に吸い込まれそうな素敵な文体なんです。あ、電車が来ました。

真向かいのシートでマスカラ塗っているあの娘はどこか綾子に似てる

ミルクチョコ色したブーツはガニ股で16ビートを愉快に刻む

横浜で降りることなくマスカラの彼女はプルプルグロスをつける

乗ってから東戸塚で降りるまで30回は鏡を見てた

頬染める桃色チークのマフラーが鎌倉行の風に流れる

余所行きのばっちりメイクが大船へ向かう電車で作られていく

もう二度と会うこともないさよならの香りが残る2m先

あの娘じゃないどこの誰ともわからない誰かが座り降りてく大船

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花の後

雨が花を散らせていく

雨が花の季節を終わらせていく

  

涙も何かを散らせるのだろうか

涙も何かを終わらせるのだろうか

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連作4:春待ちの丘

悟です。ぼくのアパートのすぐ裏手に「春待ちの丘」と呼ばれる場所があります。どこよりも春を待ち望み、待ちきれなくて思わず春になっちゃうからそう呼ばれてるんだそうです。大学時代に春華と一緒によく遊びに行きました。本当に周りよりも春が早く来るんです。そこだけたくさんの花が咲いたりして。魔法でもかかってるのかもしれません。春に恋する禁断の魔法が。

花たちにまた来てねってささやかれ今年も来ちゃった春待ちの丘

初恋の相手はたぶん春だった思えば変だ季節に恋して

マフラーもコートも冬に脱ぎ捨てて一足お先の春に寝転ぶ

春用の心が働くあの雲は卒業式の桜に似てる

そういえばいつも春華が横にいて春が似合うと毎年思う

冬だって思えば今日も冬だけど春だと思うから春なんだ

真ん中の桜に付けた正の字は付き合い始めて五年のしるし

たくさんの春の花は咲く電話して足りない華にすぐ来てもらう

君を呼ぶ季節の魔法「春ですよ」発動条件恋してること

「春ですか?」「ええ、春ですよ」「そうですか。」「ウキウキするでしょ?」「ウキウキしますね」

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冬秋夏春

踏み出そうとした

 

踏み出せなかった

 

踏み出さなかったことを後悔した

 

あなたのことを忘れてしまいそうな

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連作3:大人の出会い

陽子です。今日は眞言くんと出会った時のことをお話しようと思います。

私は、青山にあるランジェリーショップ「LINE」で働いてます。働きはじめて今年で3年目。その前は、普通にOLしてました。仕事も2年目に入り、だんだん楽しくなってきた去年の12月に、彼は「LINE」にやってきました。

珍しく雪が降ってた水色のブラに水玉みたいなそんな日

寒かったからか恥ずかしかったのか赤い顔して可愛かったの

ものすごく必死だったの初売りに命賭けてる女性みたいに

レポートのための調査に来たなんて言い訳みたいな説明だった

その時はたまたま黒をつけていて素敵ですねって褒められちゃった

20代女性におけるブラジャーのサイズと色の相関関係」

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第2作:TULLY'sで待ち合わせ

陽子です。悟の実の姉です。え?「実の」なんていう必要はない?まあまあ、世の中には実の姉じゃない人だっているわけですから。 今日は彼氏の眞言(まこ)くんとデートです。「まこと」なんですが、「まこ」くんって呼んでます。8つも離れてるし、可愛らしいからいいかなぁなんて。よく考えたら弟よりも年下なんですよねぇ。もしかしたら、これって犯罪?

予定より三十分も早かったなんだか私うかれているわ

日常にさよなら告げる合言葉ティラミスラテのトール ホットで

今まいているマフラーは先週のイヴに送られてきた「ごめんね」

来年で三十になる私には二十四日である必要はない

眞言(まこ)くんが来てカフェモカをたのんだら今日はちょっぴり甘えてみよう

TULLY’sできみを待ってるカフェラテのミルクのような柔らかな時間

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第1作:春華―小悪魔の条件―

はじめまして、悟と言います。今日はぼくの誕生日なんですが、あいにくの天気で、彼女の春華とどこかに行くはずだった予定も雨と一緒に流れてしまいました。どこかに行くといっても、どこに行くかは全く決めてなかったんですが・・・。結局、ぼくのアパートでまったり過ごすことに。いつもはぼくが食事を作るんですが、今日は春華が作ってくれるみたいです。何を作ってくれるのかたずねると、鍋、だそうです。まぁ、鍋なら春華にも作れそうなので一安心です。春華ですか?10分くらい前にデパ地下へ旅立っていきました。

小悪魔の条件なんてひとつだけ嘘をついても許せる可愛さ

いざ行かん閉店間近のデパ地下へ6割引きを勝ち取るミニスカ

他人(ひと)の男(もの)勝手に自分のなんて言うそんなのきっと春華くらいだ

知っている呼んだだけって言うときはほんとに呼んだだけだってこと

一生のお願いなんて一生で二度も三度も使わないでよ

小悪魔は気分によって都合よくSにもMにも変身しちゃう

電球が切れちゃったのもおとめ座がビリだったのも悟が悪い

月ってさ自分で光ってないんだよそれってなんだか悟みたいね

少しずつ入れる砂糖を増やしてくケーキに潜む致死量の愛

気づいてる?ぼくをいじめたそうなとき春華いっつもくん付けしてる

後ろから何も言わずに小指だけ握ってくるのはいいよのサイン

バスタブで悲しい表情してたときずうっと守りたいと思った

繋がっているとき唯一小悪魔はメイクを落として天使に変わる

噛まれても振り回されても好きなのは結局春華だからなんです

小悪魔は人の前では本当の泣き顔なんて見せたりしない

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